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お墓・納骨の選び方(一般墓・納骨堂・樹木葬・散骨)と墓じまい

4つの納骨先の違い、法律の決まり、墓じまい(改葬)の手続きの流れ。改葬の件数は10年で倍増しています。

更新 2026.10.31

この記事の要点
  • 遺骨を埋める(埋蔵する)のは、許可を受けた「墓地」でなければできません。自宅の庭などには埋められません(墓地、埋葬等に関する法律 第4条)。
  • 納骨先は、一般墓・納骨堂・樹木葬・散骨などから、継ぐ人がいるか、費用、お参りのしやすさで選びます。
  • 散骨について法律に定めはありませんが、国は散骨事業者向けのガイドラインを示し、遺骨は形がわからないよう粉状にすることなどを求めています。
  • 墓じまいで遺骨を移すには、市区町村の「改葬許可」が必要です。改葬の件数は約8.4万件(2014年度)から約17.6万件(2024年度)へ倍増しました。

4つの選択肢

一般墓

墓地の区画に墓石を建て、家族の遺骨を納める形。

  • 代々受け継ぐことが多い
  • 墓石や区画の費用、年間の管理料がかかる
  • 継ぐ人がいないと、いずれ墓じまいが必要に

納骨堂

建物の中に遺骨を納める施設。

  • 都道府県知事などの許可を受けた施設
  • 屋内でお参りしやすい
  • 使える期間や、期間後の扱い(合祀など)は施設で違う

樹木葬

樹木や草花を墓標にして、遺骨を土に納める形。

  • 墓地として許可を受けた区域で行う
  • 継ぐ人がいなくてよい形が多い
  • 個別の区画か、ほかの人と一緒(合祀)かを確かめる

散骨

遺骨を粉状にして、海や山などにまく形。

  • お墓は残らない
  • 国のガイドラインと、自治体の条例に従う
  • 家族・親族の理解を得てから

法律ではどう決まっている?

  • 「墓地」は、都道府県知事(市・特別区では市長・区長)の許可を受けた区域です。遺骨の埋蔵は墓地以外ではできません。
  • 「納骨堂」は、他人の委託を受けて遺骨を収蔵するため、許可を受けた施設です。
  • 墓地や納骨堂の管理者は、火葬許可証(または改葬許可証)を受け取ってからでなければ、遺骨を納めさせられません。
  • 散骨について、墓地、埋葬等に関する法律には定めがありません。厚生労働省は、散骨事業者向けのガイドラインで、関係法令や自治体の条例・ガイドラインを守ること、海では海岸から一定の距離以上離れた海域で行うこと、遺骨は形がわからないよう粉状に砕くこと、契約は文書で行うことなどを示しています。

出典:e-Gov法令検索「墓地、埋葬等に関する法律」(第2〜5条・第8条・第14条・第16条)/厚生労働省「散骨に関するガイドライン(散骨事業者向け)」(令和2年度厚生労働科学特別研究事業の報告書より)

墓じまい(改葬)の流れ

  1. 1家族・お寺に相談する親族の理解と、今のお墓の管理者(お寺など)への相談が先です。宗派によっては閉眼供養などの儀式が必要な場合もあります。
  2. 2新しい納骨先を決める改葬先の管理者から「受入証明書」をもらいます(使用許可証の写しでよい市区町村もあります)。
  3. 3今の墓地で証明をもらう今の墓地・納骨堂の管理者に、遺骨が納められていることの証明(埋蔵・収蔵証明書)を書いてもらいます。
  4. 4改葬許可を申請する遺骨が今ある場所の市区町村へ。申請書に証明書などを添えます。墓地の使用者と申請者が違うときは、使用者の承諾書も要ります。
  5. 5改葬許可証を受け取る交付まで数日かかることがあります。
  6. 6遺骨を取り出す今の墓地の管理者に改葬許可証を見せ、遺骨を取り出します。
  7. 7新しい納骨先に納める改葬許可証を改葬先の管理者に出して納骨します。
  8. 8墓石を片づけ、区画を返す石材店に撤去を頼み、墓地の管理者に区画を返します。

出典:e-Gov法令検索「墓地、埋葬等に関する法律施行規則」(第2条・第5条・第8条)/長野市「改葬手続きのご案内」(2026年10月確認)

改葬の件数は10年で倍増

0.05.010.015.020.0(万件)2014年度:8.4万件8.42014年度2022年度:15.1万件15.12022年度2024年度:17.6万件17.62024年度
改葬の件数(全国)2014年度と2024年度は「約」の値。2022年度は151,076件出典:厚生労働省「衛生行政報告例」(総務省 東北管区行政評価局の資料・厚生労働省資料による)

出典:総務省 東北管区行政評価局「墓じまいに関する情報収集結果」(2026年1月30日)/厚生労働省「墓地、埋葬等に関する法律に係る行政の仕組み」(衛生行政報告例 令和4年度)

注意お寺が埋蔵証明書を書いてくれないなどの相談が行政に寄せられています。厚生労働省は2026年1月23日の事務連絡で、証明書を出せない特別な事情があるときの代わりの書面の例(お墓の写真、証明書を出せない経緯を書いた申述書など)を市区町村に示しました。墓じまいの費用は寺院や石材店で大きく違うため、見積もりと内訳を書面でもらいましょう。困ったときは、市区町村の担当窓口や消費生活センター(消費者ホットライン 188)に相談できます。

お墓を継ぐ人

お墓や仏壇などは、相続財産とは別に、祖先の祭祀を主宰する人(祭祀承継者)が受け継ぎます。故人の指定があればその人、なければ慣習、それでも決まらなければ家庭裁判所が定めます(民法 第897条)。きょうだいで話し合っておくと、あとでもめにくくなります。

出典:e-Gov法令検索「民法」(第897条・第915条・第921条・第960条・第968条)

よくある質問

遺骨をしばらく自宅に置いておいてもよいですか?
納骨の期限は法律で決まっていないため、お墓が決まるまで自宅に安置する方は多くいます。骨つぼを自宅に置いて供養する「手元供養」を選ぶ人もいます。ただし、庭などに埋めることはできません。
遺骨を分けて(分骨して)納められますか?
できます。分骨するときは、今の墓地・納骨堂(または火葬場)の管理者が、遺骨が納められていること(または火葬したこと)を証明する書類を出します。それを新しい納骨先に出します(墓地、埋葬等に関する法律施行規則 第5条)。
樹木葬なら、継ぐ人がいなくても大丈夫ですか?
継ぐ人を必要としない形が多いですが、施設によって条件が違います。合祀になる時期、管理料の有無を契約前に確かめてください。
散骨は自分たちでしてもよいですか?
国のガイドラインは事業者向けですが、粉状にする、周りの人や漁業者などに配慮するといった考え方は参考になります。散骨を条例で制限している地域もあるので、行う場所の自治体のルールを確かめてください。

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