この記事の要点
- 火葬には市町村長の許可が要る。許可を受けると火葬許可証が交付される。
- 火葬は死亡後24時間を過ぎてから(他の法令に別段の定めがある場合を除く)。
- 火葬が終わると、火葬場は許可証に必要事項を書いて返す。これを納骨のときに墓地・納骨堂へ出す。
- 違反には罰則がある。手続きの順番を社内で統一しておく。
死亡から納骨までの手続きの順番
- 死亡死亡診断書・死体検案書医師(警察が関わった場合は検案医)が作成。死亡届の右半分になっていることが多い。
- 7日以内死亡届届出義務者が、死亡の事実を知った日から7日以内(国外は3か月以内)に提出(戸籍法第86条)。
- 届出と同時火葬許可の申請死亡届を受理した市町村長が許可し(墓地、埋葬等に関する法律 第5条)、火葬許可証を交付する(同第8条)。
- 24時間経過後火葬死亡後24時間を経過した後でなければ火葬できない(同第3条)。火葬場は許可証を受け取った後でなければ火葬できない(同第14条第3項)。
- 火葬の後許可証の返却火葬場の管理者は、火葬許可証に省令で定める事項を記入し、火葬を求めた人に返す(同第16条第2項)。
- 納骨のとき墓地・納骨堂へ提出墓地・納骨堂の管理者は、許可証を受け取った後でなければ焼骨の埋蔵・収蔵をさせられない(同第14条)。受け取った許可証は5年間保存する(同第16条第1項)。
出典:e-Gov法令検索「墓地、埋葬等に関する法律」(2026年10月31日確認)、同「戸籍法」(2026年10月31日確認)
注意火葬許可証(火葬済みの記入があるもの)は、納骨のときに必要です。ご遺族には「骨壺と一緒に大切に保管してください」と、収骨の場で必ず伝えます。紛失したときの扱いは、許可を出した市区町村に確かめます。
おさえておきたい条文
| 条文 | 内容(要約) |
|---|---|
| 第2条 | 「埋葬」は死体(妊娠4か月以上の死胎を含む)を土中に葬ること、「火葬」は死体を葬るために焼くこと、「改葬」は埋葬した死体や埋蔵・収蔵した焼骨を他の墳墓・納骨堂に移すこと |
| 第3条 | 埋葬・火葬は、他の法令に別段の定めがあるものを除き、死亡・死産後24時間を経過した後。妊娠7か月に満たない死産はこの限りでない |
| 第4条 | 埋葬・焼骨の埋蔵は墓地以外ではできない。火葬は火葬場以外の施設ではできない |
| 第5条・第8条 | 埋葬・火葬・改葬には市町村長の許可が要り、許可証が交付される |
| 第9条 | 埋葬・火葬を行う人がいない、または分からないときは、死亡地の市町村長が行う |
| 第13条 | 墓地・納骨堂・火葬場の管理者は、正当な理由がなければ埋葬・火葬などの求めを拒めない |
| 第21条 | 第3条・第4条・第5条第1項などに違反した者は、2万円以下の罰金または拘留・科料 |
24時間の決まりの例外
感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律 第30条は、一類〜三類感染症・新型インフルエンザ等感染症の病原体に汚染された(疑いを含む)遺体は火葬しなければならず(十分な消毒をして都道府県知事の許可を受ければ埋葬も可)、24時間以内に火葬・埋葬できると定めています。都道府県知事は、こうした遺体の移動を制限・禁止することもできます。該当する場合は、医療機関・保健所の指示に従います。
出典:e-Gov法令検索「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」(2026年10月31日確認)
改葬(墓じまい)の相談を受けたら
改葬にも市町村長の許可が要り、改葬許可は遺骨のある場所の市町村長が行います(第5条第2項)。改葬の件数は平成26年度の約8.4万件から令和6年度の約17.6万件へと増えており、葬儀のあとに相談を受けることが増えています。
出典:総務省 東北管区行政評価局の資料(衛生行政報告例を引用)
- 死亡届と火葬許可の申請は、同時にできますか?
- 多くの市区町村で同じ窓口で同時に受け付けています。火葬許可は死亡届を受理した市町村長が行います(第5条第2項)。窓口の時間・方法は市区町村によって違います。
- 分骨したいと言われたら?
- 墓地、埋葬等に関する法律施行規則 第5条で、火葬場の管理者は、分骨を埋蔵・収蔵しようとする人の請求があれば、火葬の事実を証する書類を交付することになっています(墓地・納骨堂の管理者も同様)。収骨の前に火葬場へ申し出ておくと安心です。
この記事は制度の概要です。個別の広告・契約・事案が法律に触れるかどうかは、弁護士等の専門家や所管の行政機関に確認してください。
あわせて読みたい
遺族への最初の対応(第一報から打ち合わせまで)第一報の電話から搬送・安置・打ち合わせまでの流れと、法律で決まっていること、言葉づかいの注意。見積を分かりやすく出す見積書に載せる項目の分け方、追加になりやすい費用、最終請求までの説明の流れ。料金トラブルの相談件数も。宗派ごとの作法と道具の基礎現場で戸惑いやすい道具の名前と使いどころ、準備から片付けまでの段取り。宗派確認の聞き方は別記事で。通夜・葬儀の時間構成と進行通夜・葬儀・火葬の時間の組み立て(目安)、2部制・一日葬・火葬式の違い、初七日の繰り上げの説明のしかた。
葬儀業者の方への一覧へ