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広告の価格表示と景品表示法(「◯万円〜」の注意)

消費者庁が葬儀社に出した措置命令2件から学ぶ、価格表示・二重価格・打ち消し表示の注意点。

更新 2026.10.31

この記事の要点
  • 景品表示法は、実際より著しく有利だと誤解させる価格表示(有利誤認)を禁じている。
  • 消費者庁は2024年と2026年に、低価格をうたう葬儀の広告に措置命令を出した。
  • 「◯万円〜」の最低価格は、実際にその金額で受けられるのかを確かめてから出す。
  • 実績のない「通常価格」と並べて安く見せる表示(二重価格)も問題になる。

景品表示法のしくみ

  • 事業者は、商品・サービスの価格その他の取引条件について、実際のものより取引の相手方に著しく有利だと一般消費者に誤認される表示をしてはならない(不当景品類及び不当表示防止法 第5条第2号「有利誤認」)。品質・内容を実際より著しく良く見せる表示(同第1号「優良誤認」)も禁じられている。
  • 違反があると、消費者庁は表示の差止め・再発防止などを命じることができる(同第7条「措置命令」)。違反行為がすでに終わっていても命じられる。
  • 有利誤認・優良誤認の表示には、原則として対象期間の売上額の3%の課徴金が課される(同第8条。額が150万円未満のときなどは除く)。

出典:e-Gov法令検索「不当景品類及び不当表示防止法」(2026年10月31日確認)

葬儀社への措置命令の例

時期・対象表示実際
2024年5月30日
直葬・火葬プラン(沖縄県の事業者)
チラシで、仏具や供花のある部屋に安置された棺の写真、個別面会室の案内と共に「火葬プラン 77,000円(税込)」。ウェブサイトで「通常価格 180,000円(税込198,000円)」と並べて表示個室で面会すると個室料、供花・仏具を置くとその料金が追加でかかった。「通常価格」は提供した実績のない価格だった
2026年9月18日
貸切ホールを使う家族葬(東京都の事業者)
テレビCMで「1日1組 貸切ホール」「お得なプランがこの価格から」の音声と共に「家族葬 10.45万円~(税込)」貸切ホールで家族葬を行うには、僅かな場合を除き30万8000円以上が必要だった

どちらも第5条第2号(有利誤認)にあたるとされ、①違反である旨を一般消費者に周知する、②再発防止策を講じて従業員に周知する、③今後同様の表示をしない、の3点が命じられました。

出典:消費者庁 報道発表(直葬・火葬プランの表示に関する景品表示法の措置命令)(2024年5月30日公表)、消費者庁 報道発表(家族葬の表示に関する景品表示法の措置命令)(2026年9月18日公表)

よくない表示と、見直した表示

問題になりやすい

  • 写真やうたい文句に、プラン外の設備・サービスが写っている
  • 「◯万円〜」の最低価格では、実際にはほとんど申し込めない
  • 実績のない「通常価格」「定価」と並べて割引に見せる
  • 追加費用の条件が、小さな字や別ページにしか書かれていない

見直した例

  • 写真の下に「写真はプラン外の◯◯を含みます」と書く
  • 最低価格のプランで実際に受けられる内容を、同じ画面に書く
  • 比べる価格は、実際に一定期間販売していた価格だけにする
  • よく追加になる費用(安置延長・面会室など)を価格のすぐ近くに書く
過去の販売価格と比べる「二重価格表示」は、同じ商品を最近相当期間にわたって販売していた価格と比べるなら、不当表示になるおそれはないとされます。そうとはいえない価格と比べるときは、いつ・どのくらいの期間の価格かを正確に書かない限り、不当表示になるおそれがあります。出典:消費者庁「二重価格表示」(価格表示ガイドラインの解説)(2026年10月31日確認)

広告を出す前のチェック

  1. 価格の中身を書き出す広告に出す価格で、何ができて何ができないかを、見積書と同じ言葉で書き出す。
  2. 実際の申込みと照らす過去の実績で、その価格のまま申し込んだ例がどのくらいあるかを確かめる。
  3. 写真・言葉を合わせる写真・動画・音声で示す設備やサービスが、その価格に含まれているかを確かめる。
  4. 条件を近くに書く追加費用の条件を、価格のすぐそばに読める大きさで書く。テレビ・動画は表示時間にも気を配る。
  5. 記録を残す広告の原稿・掲載期間・価格の根拠資料を保存する。
この記事は制度の概要です。個別の広告・契約・事案が法律に触れるかどうかは、弁護士等の専門家や所管の行政機関に確認してください。
「◯万円〜」と書くこと自体がだめなのですか?
いいえ。問題になるのは、実際にはその金額ではほとんど受けられないのに、その金額で受けられるかのように見せる場合です。最低価格で受けられる内容をはっきり書くことが大切です。
広告代理店が作った広告でも、責任は葬儀社にありますか?
景品表示法は「自己の供給する商品又は役務」について表示する事業者を対象にしています。自社のサービスの広告であれば、原稿の確認は自社で行うべきです。

見積書の書き方は見積を分かりやすく出す、契約時の説明は契約と説明の注意をご覧ください。

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