この記事の要点
- 東京都の試算では、今の火葬実績のままだと2035年頃に火葬の需要率が100%を超える。
- 冬(1月)は特に混みやすい。安置が長くなる前提で、料金と設備を準備しておく。
- 国は2025年10月、火葬場の料金や経営の指導監督を徹底するよう自治体に通知した。
- 待ち日数の全国的な公表データは見当たらない。商圏の火葬場の状況は自社で記録する。
東京都の火葬需給の試算
この試算①は、各火葬場の年間火葬実績(2030年頃以降は能力拡大を見込んで166,096件/年)をもとにしたものです。都は「現在のままでは、2035年頃には火葬需要の増加に対応することが困難に」としています。各火葬場の受入可能件数(218,221件/年)をもとにした試算②では需要率は100%を下回りますが、火葬件数の多い1月だけで見た試算③では、2050年頃に都全体で104.5%になるとされています。
出典:東京都 第1回火葬場に係る検討会 参考資料4(2026年6月)
これは東京都の試算です。火葬場の数・炉の数・広域の利用状況は地域によって大きく違います。自社の商圏の火葬場が、どの時期にどのくらい混むかを記録しておくのが確実です。全国の火葬の実施件数は1,627,558件(令和4年度、衛生行政報告例)で、火葬率は99.97%です。出典:厚生労働省 資料(衛生行政報告例)
国と都の動き
- 2025年10月31日厚生労働省が自治体へ通知「火葬場の経営・管理に関する指導監督について」。株式会社が経営する火葬場で火葬料金の引上げが続くなどの報道を受け、火葬料金が経営・管理に必要な費用に比べて明らかに高く法外な設定になっていないか、利益が他の事業や配当に回っていないか、料金の規定が明確で利用者に十分説明されているかなどを確認するよう求めた。
- 2026年3月31日東京都が実態調査の結果を公表公営火葬場は住民向け料金が無料または低額、民営火葬場は8万円以上が中心。近年は民営を中心に料金改定が進んでいる。
- 2026年6月東京都が火葬場の検討会を開始死亡者数の長期推計に基づく火葬需給の試算を示した。
出典:厚生労働省 健康・生活衛生局生活衛生課長通知「火葬場の経営・管理に関する指導監督について」(2025年10月31日)、東京都「火葬場の運営等に係る実態調査結果(概況)の公表」(2026年3月31日)
安置が長くなるときの備え
- 安置料・ドライアイスの1日あたりの単価を見積書に書いておく
- 冷蔵安置の設備、または提携できる安置施設を確保しておく
- 日程の候補を示すときに、火葬場の空き状況と待つ日数の見込みを伝える
- 面会の時間・方法(安置施設での面会など)をご遺族と決めておく
- ドライアイスの量が増えるので、二酸化炭素中毒の注意(棺に顔を入れない・換気)を必ず伝える
- 近隣の別の火葬場を使う場合の、住民以外の料金と移動時間を調べておく
注意火葬は死亡後24時間を経過した後でなければ行えません(墓地、埋葬等に関する法律 第3条)。「早く火葬できる」ことを理由に契約を急がせることは避けてください。
- 火葬の待ち日数の公的な統計はありますか?
- この記事を書いた時点で、全国の待ち日数をまとめた公的な統計は確認できませんでした。東京都の調査も料金と稼働状況が中心で、待ち日数は載っていません。
- 火葬料が値上げされたら、見積はどうしますか?
- 火葬料は立替・実費として、葬儀社の費用とは分けて書きます。料金表の改定日を控え、改定前の見積を出したご遺族には差額を説明します。
今後の死亡数の見込みはこれから葬儀は増えるのかで整理しています。
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