宗派の見分け方
家の宗派がわからないときの手がかり。位牌・仏壇・過去帳・墓石・数珠・菩提寺への確認など、調べ方と注意点をやさしく説明します。
宗派がわからないときは
「うちの宗派は何だろう」とわからないまま葬儀の相談をされる方は少なくありません。多くの場合、身近なものから手がかりを集めて見当をつけ、最後は菩提寺(お付き合いのあるお寺)や親族に確認することで確かめられます。以下は目安であり、必ずしも断定できるものではありません。
確認の手順
- 親族に聞く(実家、親、兄弟、おじ・おば)。
- 菩提寺(お墓のあるお寺、法事を頼んでいるお寺)に尋ねる。
- 仏壇・位牌・過去帳・法名軸を見る。
- お墓の形・墓石の文字を見る。
- 過去の法事の案内状・お布施の領収・お寺からの手紙を探す。
仏壇・本尊から
| 仏壇の本尊(目安) | 考えられる宗派 |
|---|---|
| 阿弥陀如来(立像、または名号の掛け軸) | 浄土真宗(本願寺派・大谷派)、浄土宗など |
| 釈迦牟尼仏と、両脇に道元・瑩山 | 曹洞宗 |
| 釈迦如来(脇に、他の祖師) | 臨済宗など |
| 大日如来と、弘法大師 | 真言宗 |
| 南無妙法蓮華経の曼荼羅(掛け軸) | 日蓮宗など |
寺院や家によって異なるため、「目安」にとどめてください。
位牌・過去帳・法名軸から
- 位牌がなく、「法名軸」や「過去帳」だけ置いている家は、浄土真宗の可能性があります。
- 法名に「釋」「釋尼」が付いている場合は、浄土真宗の法名と考えられます。
- 戒名に「誉」の字がある場合は、浄土宗が多いとされます。
- 「日」の字がある法号は、日蓮宗が多いとされます。
- 戒名に梵字(アなど)がある場合は、真言宗などの可能性があります。
戒名の構成は戒名・法名・院号とお布施の考え方をご覧ください。
墓石から
- 「南無阿弥陀仏」「倶会一処」などの文字は、浄土系の宗派(特に浄土真宗)に見られることがあります。
- 「南無妙法蓮華経」は日蓮宗系に多く見られます。
- 「○○家之墓」「先祖代々之墓」などの文字だけで宗派はわかりません。
数珠・読経から
数珠の形(二連、一連、振分など)は宗派によって異なる目安ですが、一般の方は宗派に関係なく持つこともあるため、これだけで判断はできません。聞き覚えのあるお経・念仏(「南無阿弥陀仏」「南無妙法蓮華経」「南無大師遍照金剛」など)は、手がかりになります。
どうしてもわからないとき
- 菩提寺がない場合は、葬儀社に相談し、宗派を問わない僧侶の紹介を受ける方法もあります。
- 墓地・霊園の管理事務所に、墓地の記録があるか聞いてみる。
- 役所の戸籍、除籍で、親族の本籍・住所がわかることがあります。親戚をたどる助けになります。
一般の方へ
宗派がわからなくても、ご自身を責める必要はありません。わからないことを正直に葬儀社へ伝えれば、調べ方を一緒に考えてくれるのが一般的です。用語は用語集、宗派ごとの記事は日本の葬儀と宗教・宗派の全体像から探せます。
葬儀業者の方へ
「ご宗派は?」と聞いて答えられない方には、「ご実家のお墓はどちらのお寺ですか」「法事で来られるお坊さんのお寺の名前は?」と質問を言い換えると、答えが得られやすくなります。宗派確認の聞き方と準備物チェックリストもご覧ください。
聞き取りのときのヒント
ご家族に宗派を尋ねるときは、「ご宗派は?」ではなく、「お墓はどちらですか」「法事のときに来てくださるお寺はありますか」と聞くと、答えを得やすくなります。また、浄土真宗では信者を門徒(もんと)と呼ぶことが多いなど、呼び方の違いも手がかりになります。ただし、いずれも手がかりにすぎません。家が代々つながりのある宗派と、現在の菩提寺の宗派が一致しているとは限らないため、最終的には、菩提寺への確認をお勧めします。
確認した内容の記録
調べた結果は、メモに残し、ご家族の間で共有すると、次の法事やお墓の相談のときに役立ちます。宗派、菩提寺の名称・連絡先、戒名(法名)、命日、お墓の場所などを、一枚の紙にまとめておくと便利です。後の世代へ引き継ぐ資料にもなります。