遺言書・財産・借金の調べ方
遺言書の探し方、財産の洗い出し方、借金や保証債務の調べ方を順に説明します。相続放棄は3か月の期限があるので早めに確認しましょう。
この記事で分かること
- 遺言書の探し方と、開けてはいけない遺言書があること
- 通帳・不動産・証券・保険など、財産を洗い出す手順
- 借金や保証債務を調べる方法
相続の手続きは、遺言書があるか、財産と借金がどれだけあるかで、進め方が変わります。相続放棄は3か月以内に決める必要があるため、早めに調べましょう。
遺言書を探す
| 種類 | 探し方 | 家庭裁判所の検認 |
|---|---|---|
| 公正証書遺言 | 公証役場で検索できます(1989年以降に作られたもの)。相続人が、戸籍などを持って最寄りの公証役場に申し込みます。 | 不要 |
| 自筆証書遺言(法務局保管) | 法務局の遺言書保管制度。「遺言書保管事実証明書」で保管の有無を確認できます(手数料800円)。 | 不要 |
| 自筆証書遺言(自宅などで保管) | 自宅の金庫・仏壇・書斎・貸金庫などを探します。 | 必要 |
- 法務局に保管された遺言書は、遺言書情報証明書(手数料1,400円)で内容を確認できます。法務局に保管された遺言書は検認が不要です(自筆証書遺言書保管制度、法務省)。
- 検認とは、遺言書の存在と内容を相続人に知らせ、偽造を防ぐ手続きで、家庭裁判所に申し立てます(遺言書1通につき収入印紙800円と郵便切手)。有効かどうかを決める手続きではありません。
封をしてある遺言書は、家庭裁判所の検認の前に開けてはいけません。勝手に開けると、5万円以下の過料になることがあります。見つけたら、そのまま保管して家庭裁判所に申し立てます。
財産を洗い出す
- 預貯金:通帳・キャッシュカード・郵便物から取引のある金融機関を探し、各金融機関で残高証明書を請求する。ネット銀行は、スマホのアプリやメールから見つかることがあります。
- 不動産:固定資産税の納税通知書、市区町村の名寄帳(固定資産課税台帳の名寄せ)で一覧を確認。権利証・登記簿も確認する。
- 有価証券:証券会社からの郵便物、取引報告書、配当の通知など。
- 生命保険:保険証券・保険料の引き落とし記録。見つからないときは、生命保険協会の契約照会制度が使えます(利用条件は同協会で確認)。
- その他:自動車、貴金属、骨董品、貸付金、ゴルフ会員権、デジタル資産(暗号資産など)。
財産の一覧は、「種類・名称・金額・場所・手続きの状況」の欄をつくった表にまとめると、あとの遺産分割や相続税の計算で役立ちます。
借金・保証債務を調べる
- 郵便物、督促状、請求書、銀行の引き落とし記録、確定申告書から探す。
- 信用情報機関に開示を請求する。法定相続人は、故人の情報の開示を申し込めます(CIC・JICCなど。銀行系のKSCは各機関で確認)。
- 保証人になっていないか(連帯保証債務)、税金・社会保険料の滞納がないか、も確認する。
信用情報には、すべての借入が載るわけではありません(個人間の借金など)。また、亡くなった時点で登録が消える情報もあります。「調べて何もなかった」からといって、借金がゼロとは限りません。
調べたあとに決めること
財産より借金が多いと分かった場合は、相続放棄と限定承認を検討します。期限は、自分のために相続が始まったことを知ってから3か月です。財産の全体像がつかめないときは、期限の延長を申し立てる方法もあります。
次にやること
- 前の記事:葬儀が終わったら:手続き期限別チェックリスト
- 次の記事:相続人は誰か:戸籍の集め方と法定相続分