相続税の申告・納付の準備と流れ
財産の評価、必要書類、申告書の提出先、納付方法と延納・物納、準確定申告(4か月)、税務調査の傾向、税理士に頼む目安をまとめます。
この記事で分かること
- 財産の評価の考え方(預貯金・不動産・株式)と必要書類
- 申告書の出し方、納付方法、延納・物納
- 準確定申告(4か月)と、税務調査の傾向、税理士に頼む目安
申告までの流れ
- 財産と借金を洗い出す(遺言書・財産・借金の調べ方)。
- 相続人を確定し、遺産分割を進める。
- 財産を評価する。
- 申告書をつくり、10か月以内に出して納める。
財産の評価(概要)
| 財産 | 評価の考え方(概要) |
|---|---|
| 預貯金 | 死亡日の残高(残高証明書)に、解約時の利息などを加える |
| 土地 | 路線価方式(市街地)か、倍率方式(それ以外)。国税庁が毎年公表する路線価・倍率を使う |
| 建物 | 固定資産税評価額 |
| 上場株式 | 死亡日の終値など、定められた複数の価額のうち最も低い額(要確認:評価の細目は国税庁の財産評価基本通達) |
| 非上場株式 | 会社の規模などで評価方法が異なり、専門的。税理士へ確認 |
2026年度の税制改正の大綱では、被相続人などが相続前5年以内に取得した貸付用不動産を、通常の取引価額で評価する見直しが示されています(財務省)。適用時期などは、税理士へ確認してください。
必要書類(一般例)
- 戸籍謄本(法定相続情報一覧図の写しでも可)、相続人のマイナンバーの確認書類
- 遺産分割協議書と、相続人全員の印鑑証明書(または遺言書の写し)
- 財産の資料:残高証明書、固定資産税評価証明書、登記事項証明書、株式の残高資料、保険金の支払通知書など
- 債務・葬式費用の領収書
- 特例を使う場合:小規模宅地等の計算明細書、配偶者の軽減に関する書類など
提出先と納付
- 提出先:故人の死亡時の住所地を管轄する税務署(相続人の住所地ではありません)。e-Taxや郵送でも出せます。
- 期限:相続の開始を知った日の翌日から10か月以内。納付も同じ期限です。
- 納付方法:金融機関や税務署の窓口、口座振替、インターネットバンキング、クレジットカード(1,000万円まで。手数料がかかる)。
延納・物納
- 延納:現金で一度に払うのが難しいとき、分割して数年かけて払う。税額が10万円超、担保の提供などの要件があり、利子税がかかる。申請期限は申告期限まで。
- 物納:延納でも難しいときに、不動産などで納める。順位や、管理処分に向かない財産は対象外などの要件が厳しい。
どちらも、税務署への申請と許可が必要です。早めに税務署か税理士へ相談しましょう。
準確定申告(4か月)
亡くなった方に、年金以外の収入や、医療費控除などがあった場合は、亡くなった年の1月1日から亡くなった日までの所得税の確定申告が必要になることがあります。相続の開始を知った日の翌日から4か月以内です(国税庁)。相続人が複数なら、共同で出すか、各自が出して他の相続人に知らせます。
税務調査の傾向
相続税の調査では、名義預金(家族名義だが実際は故人のお金)、生前の贈与、申告もれの財産などが確認される傾向があるとされます(要確認:件数や割合は国税庁の公表資料で)。財産を正直にそろえ、根拠の書類を残しておくことが大切です。
税理士に頼む目安
- 小規模宅地等の特例や、配偶者の税額軽減を使う。
- 不動産や非上場株式がある。
- 相続人が多い、遺産分割がもめている。
- 期限(10か月)まで時間がない。
相続税の申告は、財産の評価や特例の判断が難しい手続きです。基礎控除に近い金額の場合も、税務署の相談窓口か税理士へ確認することをお勧めします。
次にやること
- 前の記事:相続税を減らす制度
- 全体の流れに戻る:亡くなってから相続までの全体の順番
- 法要のことは 法要 も参考に。