相続税の基本:かかる人・かからない人
基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人の数)、課税される財産・されない財産、税率の速算表、申告期限10か月、判断の流れを説明します。
この記事で分かること
- 相続税がかかるかどうかの目安(基礎控除)
- 課税される財産・されない財産と、税率(速算表)
- 申告が必要かを判断する流れと、申告期限
基礎控除:この金額までは税がかからない
遺産の合計が、次の「基礎控除」以下なら、相続税はかからず、申告も原則いりません(国税庁No.4152)。
基礎控除 = 3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数
| 法定相続人の数 | 基礎控除 |
|---|---|
| 1人 | 3,600万円 |
| 2人 | 4,200万円 |
| 3人 | 4,800万円 |
| 4人 | 5,400万円 |
数え方の注意:相続放棄をした人がいても、放棄がなかったものとして数えます。養子は、実子がいれば1人まで、実子がいなければ2人まで数えます。
課税の対象になる財産
- 本来の相続財産:現金・預貯金・有価証券・土地・建物・貸付金など。
- みなし相続財産:故人が保険料を払っていた死亡保険金、死亡退職金など(相続したものとみなして課税)。
- 生前贈与の加算:相続の前の一定期間にもらった贈与(暦年課税)。2026年12月31日までの相続は3年前まで。2027年1月以降は期間が段階的に延び、2031年1月以降の相続は7年前までです。延長された期間の贈与は、合計100万円までは加算されません(国税庁No.4161)。
- 相続時精算課税を使った贈与の財産。
借金や、葬式費用は、遺産から差し引けます(葬儀費用は誰が払う?)。
課税されないもの
- 墓地・墓石・仏壇・仏具など。ただし、投資や商品として持つものは対象です。
- 死亡保険金・死亡退職金のうち、「500万円×法定相続人の数」まで(相続人が受け取った分)。
- 国や公益法人などに、申告期限までに寄附した財産。
税率(速算表)
基礎控除を引いたあと、法定相続分で分けたと仮定した金額に、次の税率をかけます(国税庁。2026年4月1日現在)。
| 法定相続分に応ずる取得金額 | 税率 | 控除額 |
|---|---|---|
| 1,000万円以下 | 10% | ― |
| 1,000万円超~3,000万円以下 | 15% | 50万円 |
| 3,000万円超~5,000万円以下 | 20% | 200万円 |
| 5,000万円超~1億円以下 | 30% | 700万円 |
| 1億円超~2億円以下 | 40% | 1,700万円 |
| 2億円超~3億円以下 | 45% | 2,700万円 |
| 3億円超~6億円以下 | 50% | 4,200万円 |
| 6億円超 | 55% | 7,200万円 |
計算の例は 相続税の計算例 で見られます。
申告が必要か判断する流れ
- 遺産(みなし財産・加算される贈与を含む)を集めて、評価する。
- 借金・葬式費用を引く。非課税枠(保険金など)を引く。
- 基礎控除と比べる。基礎控除より多ければ、申告・納付が必要。
- 基礎控除以下でも、配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例を使って税額がゼロになる場合は、申告が必要(相続税を減らす制度)。
申告・納付の期限は、相続の開始を知った日の翌日から10か月以内です(多くの場合、亡くなった日の翌日から10か月)。期限が土日祝日なら、次の平日です。遺産分割が終わっていなくても期限は延びません。
税額が2割増えることがある
遺産を取得した人が、配偶者でも、子・父母(一親等の血族)でもない場合(兄弟姉妹、孫を養子にしていない場合の孫、など)は、その人の相続税額が2割加算されます(国税庁No.4152の関連項目。くわしくは税理士へ確認)。
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