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葬儀費用の領収書・請求書・内訳書の渡し方(相続税の申告に備えて)

葬式費用は相続税の計算で遺産から引けますが、控除できるものとできないものがあります。葬儀社が領収書・内訳書で気をつけたい点をまとめました。

更新 2026.11.01

この記事の要点
  • 葬式費用は、一定の相続人・包括受遺者が負担した場合に、相続税の計算で遺産から差し引けます(国税庁No.4129)。
  • 火葬・埋葬・納骨、遺体や遺骨の運搬、通夜など、お寺への読経料のお礼などは、控除の対象になります。
  • 香典返し、墓石・墓地の購入、初七日などの法事の費用は対象外です。
  • 葬儀社は、控除できるものとできないものが分かるように、明細を分けた請求書・領収書を渡すと、ご遺族が助かります。

相続税で葬式費用が引ける、引けない

遺産から差し引ける(国税庁)

  • 火葬・埋葬・納骨にかかった費用
  • 遺体や遺骨の回送(運搬)の費用
  • 葬式の前後に生じた費用で、通常かかせない費用(お通夜など)
  • お寺などへの読経料などのお礼
  • 死体の捜索、遺体や遺骨の運搬の費用

差し引けない(国税庁)

  • 香典返しのためにかかった費用
  • 墓石や墓地の買入れ、墓地を借りるための費用
  • 初七日など法事のためにかかった費用

出典:国税庁タックスアンサーNo.4129「相続財産から控除できる葬式費用」(令和8年4月1日現在法令等。2026年11月1日確認)

この控除は、「一定の相続人および包括受遺者が負担した葬式費用」が対象です。誰が負担したかが、あとで確認されることがあります。

葬儀社が書類で気をつけること

  1. 1宛名を確認する誰が費用を払うのか(喪主か、別の親族か)をお聞きし、請求書・領収書の宛名を実際の支払者にする。「上様」にしない。
  2. 2明細を分ける火葬、搬送、安置、式場、祭壇、飲食、返礼品などを、項目ごとに分けて書く。
  3. 3控除の対象外になり得る項目を区別する香典返し、墓石などは、控除できるものと別の行にして、合計を混ぜない。
  4. 4支払った日と金額を記録する前払い・内金・追加請求があれば、それぞれ領収書を分ける。
  5. 5「保管してください」と一言添える相続税の申告に使うことがあるので、遺産分割が終わるまで大切に保管するよう伝える。
注意控除できるかどうかの最終判断は税理士や税務署が行います。葬儀社が「これは全部引けます」と断言することは避け、「国税庁の案内では、〜が対象とされています」と伝えます。

ご遺族に渡す書類のチェックリスト

  • 見積書(打ち合わせ時)と、最終の請求書が、項目ごとに対応している
  • 領収書の宛名が、実際に支払った人になっている
  • 領収書の日付・金額・内容が、実際と合っている
  • 火葬料・斎場使用料など、外部へ支払った費用の領収書の写しも添える
  • お寺へのお布施など、領収書が出にくいものは、お客様自身が日付・金額・相手のメモを残すよう案内する
  • 返礼品は、品名を分けて書く(香典返しにあたるか会葬のお礼にあたるかは扱いが分かれることがあるため、判断は税理士へ)
  • 遺族の連絡先を控え、再発行の依頼に応じられるようにする

よくあるトラブルと対応

場面対応
領収書の宛名を「上様」で出してほしいと頼まれた実際の支払者の氏名で出す。複数人で分担したときは、分担額ごとに分ける。
あとから領収書の再発行を頼まれた再発行である旨を記載し、元の領収書と二重にならないよう記録する。
お布施の領収書は出ないと言われたお客様に、日付・金額・渡した相手を、メモに残すよう案内する。
香典返しを葬儀社に頼んだ請求書で、葬儀そのものの費用と別の行にする。
相続人どうしで費用の負担でもめている葬儀社は間に入らない。請求書の宛名と実際の支払者を整理し、専門家(弁護士)を案内する。

よくある質問

お客様に「相続税の申告に使える書類をください」と言われたら?
請求書・領収書と、項目ごとの内訳を渡します。申告書そのものや、控除額の計算は、税理士の仕事なので、案内にとどめます。
領収書の保管は、何年ですか?
相続税の申告に使う書類は、申告のあとも一定期間、保管しておくと安心です。具体的な期間は、税理士や税務署にご確認ください。
前払いの互助会の費用はどう扱いますか?
互助会の契約は、契約者・支払者・充当した費用が、書類で確認できるようにしておきます。扱いは税理士に確認するよう案内します。

次に読むもの

税務上の扱いは個別の事情で変わります。ご遺族には、税理士か税務署に確認していただくよう案内してください。

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