- 答え方は「受け止める → 一般的な制度を伝える → 専門家につなぐ」の3段階です。
- 「あなたの場合は」という断言は避け、「一般には」「国税庁によると」で話します。
- 数字や期限は、出典のある公開資料に沿って伝えます。
- 例文は、そのまま使わず、お客様の様子に合わせて言い換えてください。
相続税について
「相続税はかかりますか?」
例「相続税には基礎控除があり、3,000万円に、法定相続人1人につき600万円を足した額まで、税金はかかりません。たとえば、相続人が3人なら4,800万円です。財産の合計が基礎控除を超えるかどうかは、土地の評価などで変わるので、税理士にご確認ください。」
- 避ける:「お宅は大丈夫ですよ」
「申告はいつまでですか?」
例「亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内です。納税も同じ期限です。遺産分けが終わっていなくても、期限は延びません。」
- 避ける:「そのうち税務署から連絡が来ます」
「葬儀代は税金から引けますか?」
例「火葬や通夜、お寺へのお礼など、一定の葬式費用は、相続税の計算で遺産から差し引けると、国税庁が案内しています。香典返しや墓石、法事の費用は対象外です。領収書を大事に保管してください。」
- 避ける:「全部引けます」
「香典に税金はかかりますか?」
例「香典は、一般には相続税の対象になりません。ただ、個別の事情は、税理士にご確認ください。」
お金・預貯金について
「銀行の口座が止まった。葬儀代はどうすれば?」
例「銀行に亡くなったことが伝わると、口座の引き出しは止まります。遺産分割の前でも、一定額を払い戻せる制度があります。同じ金融機関から150万円までです。手続きは銀行の窓口でご確認ください。」
- 避ける:「私どもで引き出しを手伝います」
「葬儀代を立て替えたが、あとで精算できる?」
例「相続人どうしで話し合って、遺産から精算する方法があります。領収書を保管し、遺産分割の協議書にも書いておくと、あとで困りません。」
「葬祭費や埋葬料はもらえますか?」
例「加入していた保険で、国民健康保険なら葬祭費、協会けんぽなら埋葬料の請求ができます。申請の期限は2年が目安です。市区町村や保険者の窓口でご確認ください。」
遺言書・相続人・放棄について
「遺言書が見つかりました」
例「封をしてある遺言書は、家庭裁判所で検認を受けるまで、開けないでください。法務局に預けてあった遺言書は、検認が要りません。弁護士か司法書士にご相談ください。」
- 避ける:「開けて内容を見てみましょう」
「借金があるかもしれません」
例「相続放棄という方法があり、期限は、相続を知ったときから3か月です。故人の預貯金を使ったりすると、放棄できなくなることがあります。早めに、弁護士か司法書士にご相談ください。」
- 避ける:「あとで何とかなります」
「相続人は誰になりますか?」
例「配偶者は常に相続人で、子、親、兄弟姉妹の順に、相続人が決まります。戸籍を集めて確認する必要があります。進め方は、司法書士や弁護士にご相談いただけます。」
「兄弟で話し合いがつきません」
例「当社では間に入ることはできません。話し合いでまとまらないときは、家庭裁判所の調停という方法があります。弁護士にご相談ください。」
実家・不動産について
「実家の名義はいつまでに変える?」
例「相続登記は、2024年4月から義務になりました。相続を知った日から3年以内の申請が必要です。司法書士が専門です。」
「空き家をどうしたらいい?」
例「住む・貸す・売る・手放すなど、いくつか選択肢があります。決める前に、まず登記や相続人を整理しましょう。不動産会社や司法書士、税理士にご相談いただけます。」
どのお客様にも共通する答え方
- はじめに「大事なご質問です」と受け止める
- 「一般には」「国税庁によると」と、出典のある言い方をする
- 期限がある手続きは、期限と窓口を伝える
- 最後は必ず「専門の方にご確認ください」と添える
- 書類の作成や代行を頼まれたら、丁寧に断る(「当社ではお受けできませんが、〜をご案内します」)
- 資料を渡して、あとで家族と読めるようにする
断るときの言い方
- 「相続や税金のことは、資格をお持ちの専門の方でないと、お手伝いできない決まりになっています。」
- 「間違った案内をしてご迷惑をおかけしないよう、専門の方をご紹介いたします。」
- 「ご家族で落ち着かれてからで大丈夫です。必要なときは、いつでも窓口をご案内します。」
次に読むもの
- 前の記事:言ってよいこと・いけないこと
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- ご遺族向けの解説:相続税の基本、相続放棄と限定承認、不動産の相続登記