遺産分割協議のすすめ方と協議書
相続人全員で遺産の分け方を決める流れ、揉めやすい自宅の分け方、協議書の書き方、まとまらないときの調停まで順に説明します。
この記事で分かること
- 遺産分割協議の流れと、遺言がある場合の考え方
- 揉めやすい自宅・不動産の分け方(4つの方法)
- 協議書の書き方と、まとまらないときの調停
協議の流れ
- 遺言書がないか確認する(遺言書・財産・借金の調べ方)。
- 相続人を確定する(相続人は誰か)。
- 財産の一覧を作り、全員に見せる。
- 相続人全員で、分け方を話し合う。一人でも欠けた協議は無効です。
- 合意したら、遺産分割協議書を作り、全員が署名・実印を押す。
相続人の中に未成年の子がいる場合は、家庭裁判所に特別代理人を選んでもらう必要があります。認知症などで判断が難しい人がいる場合は、成年後見人が必要になることもあります。専門家へ確認してください。
揉めやすい点:自宅などの不動産
不動産は、現金のように等しく分けにくいため、揉めやすい財産です。主な分け方は次の4つです。
| 分け方 | 内容 | 注意点 |
|---|---|---|
| 現物分割 | 自宅は長男、預金は次男など、財産ごとに分ける | 価値に差が出やすい |
| 換価分割 | 売って現金にして分ける | 売却の手間と、譲渡所得税の確認が必要 |
| 代償分割 | 一人が自宅を取り、他の人に代わりのお金を払う | 払う側の資金が必要 |
| 共有 | 持分を分けて共有名義にする | あとで売却や活用が難しくなり、次の相続で関係者が増えることも |
自宅の評価額は、固定資産税評価額、路線価、不動産会社の査定など、複数あります。どれを基準にするか、先に全員で決めておくと揉めにくくなります。
遺産分割協議書の書き方
- 題名:「遺産分割協議書」。
- 故人の氏名・生年月日・死亡日・最後の住所・本籍。
- 「相続人全員で協議した結果、次のとおり分割する」と書き、財産ごとに、誰が取得するかを書く。
- 不動産は、登記簿のとおり所在・地番・家屋番号などを書く。預貯金は、金融機関名・支店名・口座番号を書く。
- 後から見つかった財産の扱い(「別途協議する」など)を一文入れておく。
- 日付と、相続人全員の住所・氏名を書き、実印を押す。印鑑登録証明書(発行から期間の決まりは、手続き先に確認)を添える。
協議書は人数分作って、各自が保管します。預貯金の解約や相続登記、相続税の申告で使います。
まとまらないときは調停へ
話し合いがまとまらないときは、家庭裁判所に遺産分割調停を申し立てます。調停委員が間に入って、話し合いを助けます。調停でもまとまらなければ、審判(裁判官が決める)に進みます。費用は、収入印紙などの実費が必要です(金額は家庭裁判所で確認)。
期限を意識する
遺産分割には、民法上の期限はありません。ただし、相続税の申告期限(10か月)までに決まっていないと、配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例が、申告の時点では使えません(相続税を減らす制度)。相続登記の義務(3年)にも関わるので、なるべく早めに進めましょう。
話し合いのときに出てくる言葉
- 寄与分:故人の介護や事業の手伝いなどで、財産の維持・増加に特別に貢献した相続人が、多めに受け取れる考え方。
- 特別受益:故人から生前に、結婚資金や住宅資金などの贈与を受けていた場合、その分を相続の前渡しとして計算に入れる考え方。
- 特別寄与料:相続人でない親族(たとえば長男の妻)が、無償で介護などをした場合に、相続人へ金銭を請求できる制度(2019年7月1日開始)。
どれも、金額の決め方には争いが起きやすいので、記録(介護の日記、領収書など)を残しておくことが大切です。
次にやること
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