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名義預金と税務調査:何が見られ、何を整えておくか

家族名義の預金でも、お金が故人のものなら相続財産になります(名義預金)。国税庁の最新の調査状況と、普段から整えておきたい書類をまとめます。

更新 2026.11.01

この記事の要点
  • 預金の名義が家族でも、実際に故人のお金なら相続税の対象になることがあります(名義預金)。
  • 国税庁によると、令和6事務年度(2024年7月〜2025年6月)の相続税の実地調査は9,512件で、約82%に申告漏れなどが見つかりました。
  • 贈与の事実、お金の出どころ、管理していた人が、確認されやすい点です。
  • 申告書は正直に、根拠の書類とともに整えておきましょう。

名義預金とは

預金の名義が配偶者や子、孫になっていても、実質的に亡くなった方のお金であれば、その預金は亡くなった方の財産として扱われることがあります。これを一般に「名義預金」といいます。

贈与として認められやすい例

  • 贈与する人と受け取る人の間で、贈与の事実(契約書・合意)がある
  • 受け取る人が、自分で通帳と印鑑を管理している
  • 受け取る人が口座の存在を知っている
  • 贈与税の申告や納税をしている(該当する場合)

名義預金とされやすい例

  • 通帳や印鑑を、亡くなった方が持ち続けていた
  • 名義人本人が口座の存在を知らなかった
  • 預金の原資が、すべて亡くなった方のお金
  • 名義人が引き出しや使用をしていない
名義預金かどうかは、お金の出どころ、管理や使用の状況、贈与の意思の有無などを総合して判断されます。上の表は一般的な考え方の目安です。個別の事案は税理士に確認してください。

国税庁の相続税の調査の状況

国税庁が令和7年12月に公表した「令和6事務年度における相続税の調査等の状況」によると、次のとおりです。

項目令和6事務年度
実地調査の件数9,512件(前年度の111.2%)
申告漏れ等が見つかった件数7,826件(非違割合は82.3%)
追徴税額の合計824億円
簡易な接触(文書・電話・面接)の件数21,969件

調査の事例として、国税庁は「相続開始前に、被相続人の口座の残高が基礎控除以下になるよう、相続人や家族名義の口座へ預金を移動した」ケースや、「引き出した多額の現金を相続人宅で保管し、申告から除外した」ケースを紹介しています。

出典:国税庁「令和6事務年度における相続税の調査等の状況」(令和7年12月公表。2026年11月1日確認)

調査で見られやすいところ

  • 亡くなる前の預貯金の引き出し・大きな振込(使い道の説明を求められることがあります)。
  • 家族名義の預金・株式(原資と管理の状況)。
  • 生前贈与があったか(生前贈与は相続税にどう響くか)。
  • 貸金庫や自宅に保管している現金・有価証券。
  • 海外にある財産。

普段から整えておくこと

  • 贈与をするときは、贈与契約書を作り、日付・金額・双方の署名を残す。
  • 贈与を受けた人が、自分の口座で、自分の通帳と印鑑を管理する。
  • 贈与税の申告が必要な額なら、きちんと申告して納税する。
  • 大きな金額を引き出したら、使い道(領収書・振込記録)を残す。
  • 亡くなったあとは、故人名義と家族名義の両方の預金を、残高証明書で確認する。
  • 迷う預金は、申告前に税理士に見せて、扱いを相談する。

申告のあとに見つかったとき

申告のあとで、名義預金などの申告漏れに気づいたときは、早めに税理士に相談し、修正申告を検討します。税務署の調査を受ける前に自主的に修正申告をすると、加算税が軽くなる場合があります。

よくある質問

子や孫のために作った口座は、すべて名義預金ですか?
すべてではありません。贈与として成立していれば、子や孫の財産です。ただし、贈与の事実や管理の状況が確認されることがあるので、書類を残しておきましょう。
調査は必ず来るのですか?
必ず来るわけではありません。国税庁は、資料情報などから、申告額が少ないと想定される事案を選んで調査しているとしています。
調査のとき、どうすればよいですか?
事実を正直に説明し、書類をそろえます。申告を頼んだ税理士がいれば、すぐ連絡して立ち会いを頼みましょう。

次にやること

税務上の判断は、具体的な事実で変わります。税理士に確認してください。

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