- 相続人が未成年者や障害者のとき、相続税の額から一定の金額を引ける制度があります。
- 10年以内に続けて相続があったときは、相次相続控除で前の相続税の一部が戻ります。
- 相続した人が配偶者・子・父母以外(兄弟姉妹など)だと、税額が2割増えます。
- どれも「申告書を出すこと」が使う条件です。
税額が決まるまでの順番
各人の相続税は、法定相続分で計算した「相続税の総額」を、実際に取得した割合で分けて出します(相続税の計算例)。そのあと、次の調整をします。
- 各人の税額を出す相続税の総額を、取得した財産の割合であん分する。
- 2割加算を足す(該当者のみ)配偶者・子・父母以外の人は、税額が2割増える。
- 税額控除を引く配偶者の税額軽減、未成年者控除、障害者控除、相次相続控除、贈与税額控除など。
2割加算:配偶者・子・父母以外は2割増し
相続や遺贈で財産をもらった人が、亡くなった方の「一親等の血族(代襲相続人になった孫を含む)」と配偶者以外であれば、その人の相続税額に、税額の2割が加算されます(国税庁No.4157)。
| 相続した人 | 2割加算 |
|---|---|
| 配偶者、子、父母 | なし |
| 子が亡くなっていて、代襲相続人になった孫 | なし |
| 兄弟姉妹、おい・めい | あり |
| 遺言で財産を受け取った、血縁のない人 | あり |
| 被相続人の養子になっている孫(代襲相続人ではない場合) | あり |
被相続人の養子は一親等の法定血族なので、孫以外の養子は2割加算の対象ではありません。
出典:国税庁タックスアンサーNo.4157「相続税額の2割加算」(令和8年4月1日現在法令等。2026年11月1日確認)
未成年者控除
相続人が18歳未満の法定相続人であるとき、相続税の額から、満18歳になるまでの年数1年につき10万円を引けます(国税庁No.4164)。
- 年数は、1年未満の端数を切り上げて数えます。
- 例:相続のとき15歳9か月なら、18歳までの年数は3年なので、10万円 × 3年 = 30万円。
- 本人の相続税額が控除額より少なく、引ききれないときは、その未成年者の扶養義務者(親や兄弟姉妹など)の相続税額から、残りを引きます。
障害者控除
相続人が85歳未満の障害者であるとき、満85歳になるまでの年数1年につき10万円(特別障害者は20万円)を、相続税の額から引けます(国税庁No.4167)。
| 区分 | 1年あたり | 例(70歳で相続) |
|---|---|---|
| 一般の障害者 | 10万円 | 15年 × 10万円 = 150万円 |
| 特別障害者 | 20万円 | 15年 × 20万円 = 300万円 |
- こちらも、引ききれない分は扶養義務者の相続税額から引きます。
- どちらも、法定相続人であること(相続放棄をした場合も、放棄がなかったものとした場合の相続人なら対象)が要件です。
出典:国税庁タックスアンサーNo.4164「未成年者の税額控除」、同No.4167「障害者の税額控除」(令和8年4月1日現在法令等。2026年11月1日確認)
相次相続控除:10年以内に続けて相続があったとき
今回の相続の10年以内に、亡くなった方自身が相続などで財産を取得し、相続税がかかっていた場合、前の相続税のうち、経過した年数に応じて減らした額が、今回の相続人の税額から引かれます。1年につき10%ずつ減っていくしくみです(国税庁No.4168)。
- 対象は相続人に限られ、相続放棄をした人は使えません。
- たとえば、父が亡くなって数年後に母が亡くなった場合が当てはまることがあります。ただし、前の相続で母に相続税がかかっていなかった場合などは、控除は出ません。
- 計算が複雑なので、税理士に確認してください。
出典:国税庁タックスアンサーNo.4168「相次相続控除」(令和8年4月1日現在法令等。2026年11月1日確認)
ほかの税額控除
- 贈与税額控除:生前贈与が相続税に加算されたとき、その贈与に対する贈与税を引く(生前贈与は相続税にどう響くか)。
- 配偶者の税額軽減:相続税を減らす制度 で説明しています。
- 外国税額控除:外国にある財産に外国で相続税がかかった場合など。
よくある質問
- 孫に遺言で財産を残すと、税金が増えますか?
- 孫が代襲相続人(親が先に亡くなっている)でなければ、2割加算の対象になります。ほかの人との公平も考えて、税理士に相談してから遺言を作りましょう。
- 未成年の子が相続人のとき、遺産分割の手続きは?
- 親も相続人のときは、利益が相反するため、家庭裁判所で子の特別代理人を選ぶ手続きが必要になることがあります。弁護士・司法書士に確認してください。
次にやること
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