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土地の評価と路線価の調べ方(自分でできる範囲)

相続税での土地の値段は、売れる値段ではなく国税庁の路線価などで決まります。路線価図の見方と、倍率方式・建物・マンションの考え方をまとめました。

更新 2026.11.01

この記事の要点
  • 相続税の土地の評価額は、市場で売れる値段ではなく、国税庁が公表する「路線価」か「倍率」を使って計算します。
  • 路線価図に数字が出ている地域は「路線価方式」、「倍率地域」と書かれた地域は「倍率方式」です。
  • 建物は、固定資産税評価額と同じ額で評価します。
  • 形のいびつな土地、貸している土地、マンションなどは調整が入るので、おおよその目安をつかんだら税理士に確認しましょう。

土地の評価には2つの方法がある

相続税では、土地は「宅地・田・畑・山林」などの種類ごとに評価します。評価の方法は、その土地がどの地域にあるかで決まります(国税庁No.4602)。

路線価方式

路線価が決められている地域(主に市街地)で使う。

  • 道路ごとの「路線価」を使う
  • 土地の形や奥行きによる補正をする
  • 最後に面積をかける

倍率方式

路線価が決められていない地域(郊外など)で使う。

  • 固定資産税評価額を使う
  • 地域ごとの「倍率」をかける
  • 評価倍率表で倍率を調べる

路線価図の調べ方

路線価図と評価倍率表は、国税庁の「財産評価基準書 路線価図・評価倍率表」で、誰でも無料で見られます。亡くなった年(相続開始の年)の分を見ます。たとえば令和8年分は、令和8年1月1日から12月31日までに相続・贈与で取得した財産に使います。

  1. 1国税庁の路線価のページを開く「財産評価基準書 路線価図・評価倍率表」で、亡くなった年の分を選ぶ。
  2. 2都道府県と市区町村、町名を選ぶ土地のある場所の地図(路線価図)を開く。
  3. 3土地に面する道路の数字を読む数字は1㎡あたりの価額を「千円単位」で示す。
  4. 4「倍率地域」と書かれていたら評価倍率表へその市区町村の評価倍率表で、地目ごとの倍率を調べる。

図の読み方:「215D」とは

道路に「215D」と書いてあれば、1㎡あたりの路線価が215,000円で、借地権割合が60%という意味です。数字は千円単位、アルファベットは借地権割合を表します(国税庁「路線価図の説明」)。

記号ABCDEFG
借地権割合90%80%70%60%50%40%30%
借地権割合は、他人の土地を借りて家を建てている場合や、貸している場合の評価に使う数字です。自分の土地に自分が住んでいるだけなら、使うのは前の数字(路線価)です。

路線価方式の計算のしくみ

土地の評価額は、次の順で計算します。

評価額 = 路線価 × 奥行価格補正率などの補正率 × 面積(㎡)

国税庁が示す例では、路線価が「300C」(1㎡あたり30万円)、奥行きが35m、面積が700㎡の土地の場合、次のようになります(国税庁「路線価図の説明」)。

  1. 1㎡あたり300,000円 × 0.97 = 291,000円奥行き35mに応じた「奥行価格補正率」0.97をかける。
  2. 土地全体291,000円 × 700㎡ = 203,700,000円面積をかけた額が、この土地の評価額(自用地の価額)。
注意補正率は、奥行き・間口・形・道路との関係で変わります。2つ以上の道路に面していたり、土地の形がいびつだったりすると計算が複雑になります。自分で出した額は目安にとどめ、申告には税理士に確認してください。

倍率方式・建物・マンション

種類評価の考え方
倍率方式の土地固定資産税評価額 × 評価倍率表の倍率。固定資産税評価額は、毎年春に届く納税通知書の課税明細書か、市区町村(東京23区は都税事務所)で確認します。
家屋(建物)固定資産税評価額 × 1.0。評価額は固定資産税評価額と同じです。
マンション敷地の分(敷地権の割合を乗じた土地の価額)と、建物の分(固定資産税評価額)を合計します。令和6年1月1日以後に取得した居住用のマンションは、「区分所有補正率」をかけて評価する場合があります。
貸している土地・建物貸している権利の分だけ、評価額が調整されます。

出典:国税庁タックスアンサーNo.4602「土地家屋の評価」(令和8年4月1日現在法令等。2026年11月1日確認)、国税庁「財産評価基準書 路線価図・評価倍率表」路線価図の説明(2026年11月1日確認)

路線価と実際の売れる値段は違う

路線価は、相続税などの計算のための評価の目安で、実際の売買の値段とは別のものです。売却を考えるときは、不動産会社の査定など、別に調べる必要があります。また、小規模宅地等の特例を使うと、一定の面積まで評価額が下がる場合があります(相続税を減らす制度)。

よくある質問

亡くなった年の路線価が、まだ公表されていないときは?
相続の申告期限の時点で最新の路線価が出ていない場合は、国税庁のページの案内や税務署で確認してください。申告は、相続開始の年分の路線価で行うのが原則です。
自分の土地の路線価がどこにも書かれていません。
路線価が定められていない道路に面している場合は、倍率方式のことが多いです。路線価図に「倍率地域」と書かれていないか確認し、評価倍率表を見てください。
土地の面積は何で確認しますか?
登記事項証明書の「地積」か、固定資産税の課税明細書で確認します。実際の面積と登記の面積が違うときは、税理士や土地家屋調査士に相談しましょう。

次にやること

土地の評価は、相続税の申告で間違いやすい部分です。個別の判断は、税理士に確認してください。

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