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ご遺族から相続・相続税を聞かれたときの対応:状況別の早見表

葬儀の打ち合わせで相続や税金の質問を受けたとき、何を一般論として伝え、どこから専門家につなぐか。状況別の早見表と、基本の流れをまとめます。

更新 2026.11.01

この記事の要点
  • 相続・税金・法律の質問は、葬儀のあとの手続きの入口で、ご遺族から必ず出ます。
  • 一般的な制度の紹介と、窓口の案内は、葬儀社にもできます。
  • 個別の事情を聞いて「あなたの場合は〜です」と答える・書類を作る・代理することは、専門家の仕事です。
  • 迷ったら「専門家に確認してください」と答え、つなぎ先を示します。

基本の考え方

ご遺族にとって、葬儀社は「亡くなってから最初に会う、信頼できる相手」です。そのため、葬儀のあとの手続き(死亡後の手続き、相続、相続税)についても、質問を受けることがよくあります。

答え方の基本は、次の3段階です。

  1. 1聞く何に困っているのか、いつまでに必要かを聞く。急ぎのもの(期限のあるもの)を見分ける。
  2. 2一般的な制度を伝える制度の名前・期限・窓口など、公表されている一般的な情報を伝える。
  3. 3専門家につなぐ個別の判断・書類の作成・代理は、資格のある専門家へ。連絡先を案内する。
注意善意で「大丈夫ですよ」「〜すれば得です」と断言すると、ご遺族が判断を誤ったり、トラブルになったりします。また、資格のない人が報酬を得て税務や法律の事務を行うと、法律に違反するおそれがあります(言ってよいこと・いけないこと)。

状況別の早見表

ご遺族の状況・ことば葬儀社が伝えられることつなぎ先
「相続税はかかりますか?」基礎控除の考え方(3,000万円+600万円×法定相続人の数)。申告期限が10か月以内。国税庁の案内。税理士、税務署の相談窓口
「預金が下ろせない」死亡を知らせると口座が止まること。遺産分割前でも払い戻せる制度があること(同じ金融機関から150万円まで)。金融機関の窓口。手続きの代理は弁護士・司法書士
「遺言書が見つかった」封のある遺言書は、勝手に開けない。家庭裁判所の検認が要る場合があること。家庭裁判所、弁護士、司法書士
「借金があるかもしれない」相続放棄には3か月の期限があること。弁護士・司法書士(書類作成は司法書士)
「実家の名義を変えたい」相続登記は義務で、3年以内に申請が必要なこと。司法書士、法務局
「兄弟で話がまとまらない」葬儀社は間に入らない。家庭裁判所の調停という方法があること。弁護士(争いのある事案の代理は弁護士のみ)
「遺産分割協議書を作ってほしい」書式の一般的な案内にとどめ、作成は引き受けない。司法書士、行政書士、弁護士
「葬儀費用は相続税で引けますか?」一定の葬式費用は控除できること。領収書を保管すること。税理士
「年金・保険・役所の手続き」手続き一覧と期限。窓口の案内。市区町村、年金事務所、各保険者
「空き家をどうするか」選択肢(住む・貸す・売る・手放す)の一般的な説明。不動産会社、司法書士、税理士

ご遺族向けの解説は、次の記事にまとまっています。案内するときの資料としても使えます。

打ち合わせでの基本チェックリスト

  • 相続や税金の質問を受けたら、まず「大事な質問です」と受け止める
  • 期限のあるもの(死亡届7日、相続放棄3か月、準確定申告4か月、相続税10か月など)を、一般的な期限として伝える
  • 「あなたの場合はこうです」と断言していないか、自分の言葉を見直す
  • 書類の作成・代理・金額の計算を頼まれたら、引き受けずに専門家を案内する
  • 案内したこと・渡した資料を、打ち合わせの記録に残す
  • 葬儀費用の領収書・内訳を、のちの申告に使えるよう整えて渡す(領収書の渡し方)

その場で急がせない

相続の手続きは、葬儀の直後に焦って決めなくてよいものがほとんどです。「葬儀が終わって落ち着いてから、専門家にゆっくり相談しましょう」と伝えるのも、大切な対応です。

お客様から「葬儀社さんで全部やってもらえないの?」と言われたら?
「葬儀に関わる手続きはお手伝いします。相続や税金の手続きは、専門の資格をお持ちの方にお願いする必要があります。ご紹介の窓口をお伝えします」と答えます。
詳しいお客様から、自分の相続の相談を受けたら?
制度の一般論を答えるにとどめ、結論は出しません。税理士や弁護士につなぎます。

次に読むもの

この記事は制度の一般的な紹介です。法律の解釈や個別の事案への当てはめは、弁護士・税理士・司法書士などの専門家にご確認ください。

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